暑い夏が当たり前の甲子園の開会式ですが、今年に限っては熱中症対策として中止すべきとの声も。
日本高野連(日本高等学校野球連盟)は、8月5日に開幕する夏の第100回全国高校野球選手権大会に
先立ち7月25日に大会中の熱中症対策の内容を発表しましたね。
開会式においての熱中症対策は、選手や大会関係者の参加者全員に給水補給用の飲料を準備させて
式典の最中にも携帯させることで、無事に乗り切りたい意向です。また式典の途中でも熱中症予防
のための給水時間を設定し水分補給を行うことで、開会式の熱中症対策とするようです。
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甲子園の開会式は中止すべきか?今年議論のピークへ
災害なみの異常な暑さが予想される甲子園の開会式を、中止すべきとの声も上がり始めました。
今年の夏は特に、熱中症で病院に運び込まれる患者が後を絶たないことから、中止の是非を巡り
議論のピークを迎えるかもしれませんね。
大会本部は開会式の途中で給水時間を設けることや、大会試合中であっても大会本部の判断により
休憩や給水時間をとれるように取り決めましたが、果たしてこういった対策だけで乗り切れるのか
意見の分かれるところでしょうか?
スポーツをするときの熱中症予防の指針として、温度や湿度に輻射熱などを考慮した「WBGT」
という数字がありますが、このWBGTの数字が31度以上なら原則運動は中止と判断します。
このWBGTは、通常使われている乾球温度だけの暑さの判断ではなく、乾球温度と湿球温度を
組み合わせた、より熱中症予防の指針となるものです。
この「WBGT測定値」を甲子園大会でも参考にすると考えられるので、もし測定値が31度以上に
上がってしまった場合に、開会式の中止のみならず、大会の試合そのものも大幅に延期になる恐れ
が出てきますよね?
果たして、そういう事態に陥ったときに大会本部はどういう決断を下すのか?
今年の夏が「災害なみの暑さ」を気象庁が強調するように、問題が起こってからでは遅いので
あらゆる事態を想定して対応に当たってほしいものですね。
ちなみに日本サッカー協会では、WBGTを使用した熱中症対策のガイドラインが設けてあり
WBGT測定値のランクに基づいて、試合中止や延期、会場への医師・看護師の常駐体制のほか
3分間の休憩時間を、試合の前半・後半に1回ずつ設けて水分補給するというような、試合を
行うための熱中症対策をとっています。
熱中症で倒れる子は増えてる?
熱中症で倒れる子は例年以上に増えているのか?
2017年の夏の大会では、開会式の時にプラカードを持つ女子高生が熱中症で倒れました。
試合中にも仙台育英と日大文理の対戦中に、仙台育英の捕手が西宮の病院に救急搬送されました。
また埼玉大会の開会式でも熱中症を訴えた選手が数人いた模様です。
今年の西東京大会決勝では、日大鶴ケ丘の勝又温史投手が脱水症状をともなう熱中症で救急搬送。
千葉大会では開会式とその後の第1試合で、30人ほどが熱中症にかかり野球部員の2名が救急搬送。
熊本大会では応援していたスタンドの観客が、34人も病院に救急搬送されています。
南北海道代表の「北照」は甲子園出場を決めた後の練習に、暑さ慣れ対策のために室内練習場を
暖房を使い室温を上げて練習したそうな。
今年の夏は異常なほどの猛暑続きですが、熱中症で救急搬送された人数などを調べてみました。
2018年7月23日から7月29日の1週間で、熱中症による救急搬送人数が1万3721人に上ったことが
7月31日の総務省消防庁の発表で判明しました。
熱中症による救急搬送人数の今年分の調査は4月30日より始めており、速報値での4月30日からの
累計救急搬送人数は5万7534人に達しているとのことです。
また、初診時に熱中症と診断された救急搬送者のうち、熱中症の起因によって亡くなった人は
直近の週だけでも39人となっています。また3週間以上の入院加療が必要と判定された重症者は
339人が確認されているようですね。
総務省消防庁の熱中症に関する発表は、調査開始の4月30日から1週間ごとに集計した速報値で
直近の発表が第13週目のものとなり、このあと逐次確定値に切り替えられていきますが、確定値は
速報値よりいくらか増加する傾向にあります。
熱中症で救急搬送されるのは高齢者が一番多いのですが、若い年齢層でもスポーツをしていて
熱中症になる人が多いのですよね。
このWBGTを計測する「WBGT計測器」も2017年にJIS規格ができて、価格も1個数千円の
安価なJIS準拠の製品が購入できるようになったのは、ありがたいことです。
当然、このWBGTの測定値に従った甲子園大会運営となるでしょうが、甲子園グランドの熱気は
またひときわでしょうから、WBGTの測定値だけに頼るのも不安な気がします。
開会式はなくてもいい?ネットの反応
これが日本の野球だ!www
まさに甲子園は戦争なんだ!生きるか死ぬか!炎天下がどうこう言ってる場合じゃないのだ!
アイサツは抜きにできんのかい!
「熱中症は危険だ!炎天下での運動は控えよ!!!」
橋下徹
「いやまずお前ら夏の甲子園やめろよ!」
ど正論かましたwww
出典:twitter
まとめ
今年の異常な暑さを考えると、開会式を中止にまでしなくても、進行とか挨拶する人を省くとか
挨拶したい内容をプリントで配布するとかの工夫をして、大人の都合で主人公たる選手諸君を
どっかに置き忘れた開会式にならぬよう願いたいものですね。
プロ野球ならともかくも、伝統ある甲子園とはいえ高校野球の大会で、選手や観客に熱中症の
危険を伴わせる運営はいかがなものかと、思わないでもありません。
今年の夏の予選大会や、昨年の甲子園大会での熱中症発症例を振り返ると、救急搬送後の選手が
点滴をうって一刻も早く戦線復帰を目指して静養する姿など、高校野球の教育的見地から見ても
違和感を感じるのは、私だけでしょうか?
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