15日、防衛戦を迎えるはずだったWBCフライ級王者の比嘉大吾選手が、前日計量で制限体重50.8kgを900g超過し、王座を剥奪されてしまいました。試合は実施されますが勝っても王座は空位に。
世界戦で日本選手が計量に失敗するのは初めてで、計量の動画には比嘉大吾選手の減量苦がにじみ出ていました。
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比嘉大吾選手の減量苦にじみ出る計量動画!
14日の試合前日計量。動画をみると比嘉大吾選手は終始うつむいたままで、時折涙を拭くような仕草も。
体重超過が発表され、具志堅用高会長に話しかけられても、既に覚悟していたのか椅子に座り顔を伏せたままです。その後は涙を流し、ふらつきながら会場を後にしたそうです。
比嘉大吾選手の減量苦は数日前の記者会見でもすでに現れていました。減量のピークで憔悴しきった表情。こけた頬に無精ひげ、直前まで部屋で寝ていたためか寝癖も。
対戦相手とのツーショットでは力なく拳を握り、質問への答えも弱々しかったようです。
1回目の計量でリミットを900gオーバーしたWBC世界フライ級王者の比嘉大吾。タイムリミットの2時間後までに落とさなければ王座はく奪。そうなれば日本人王者初の失態#WBC#計量 pic.twitter.com/QdFGqO6T9A
— スポニチ記者ツイート スポーツ (@sponichisports) April 14, 2018
悲惨な裏事情!?減量苦は半端じゃなかった
比嘉大吾選手はフライ級でこれまでずっと減量に苦しんでいました。
前回防衛戦後の2月下旬の時点で体重は自己最高の62kgほど。1カ月半で約12キロの減量が必要だったといいます。
減量計画の最終段階では「何も考えられなくなる。眠れない」と話していたそうで、限界だったのでしょう。
比嘉大吾選手は圧倒的筋肉量のパワーででKOを重ねてきました。97cmという胸囲は対戦相手のロサレス選手より20cm近く大きく、20kg以上重いミドル級の村田諒太選手と大差ありません。
減量苦のため、実は昨年の世界初挑戦前にはパニック障害を起こし、今回も脱水症状がみられていたとの報道も。
元プロボクサーの体験談によれば、比嘉大吾選手同様、減量は1カ月ほどの間に10kg以上落とす過酷なものだそうです。
水や炭水化物を厳しく制限しながら毎日激しいトレーニングで体を極限まで絞り、汗を出し続け、計量日に向けてさらに厳しく追い詰めていくそうです。
計量の動画を見るとボクサーらは皆細い体に筋肉だけ。素人目にもこれ以上どうやって落とすの?というほど。脱水症状になると動悸や失神などが起き命の危険さえあります。
これだけ苦しむということは、階級自体が比嘉選手には適切でなかったとも考えられます。
比嘉大吾選手王座はく奪へのネットの反応まとめ
出典:twitter
まとめ
比嘉選手の減量失敗は、世界的に高かった日本選手への信頼に傷をつけました。今後は長期の出場停止など厳罰も予想され、せっかく重ねてきた努力も報われません。
これまで日本側は外国選手の体重超過を厳しく批判してきていただけに、代償は大きいでしょう。
ボクシング界は今、階級をいくつも制覇することがステータス化していますが、実はかなり非人間的なことなのかもしれません。
選手の安全のためにも、適性階級を守る議論も必要なのではないでしょうか。
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